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佐田、冷静に逆転【第72回NHK杯】

 佐田篤史七段(28)は7年連続7回目、田中康湧五段(23)は3年連続3回目の出場。関西棋院勢同士の若手対決は、終盤近く、中央の勝負どころで田中にミスが出、佐田が逆転勝ちした。解説は松本武久八段。


〈第72回NHK杯2回戦・第13局〉
白 佐田篤史七段 黒 田中康湧五段

佐田(左)と田中

※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。

〈第1譜〉1―37

 対戦は6度あり、佐田の6連勝。2年前、第70回のNHK杯でも2回戦で対戦、佐田が白番2目半勝ちを収めている。「ともにヨセがうまく、辛抱強い。佐田さんは厚み派、田中さんは実利派だと感じます」と松本八段。
 黒23まで、黒は地を稼ぎ、白は厚みを築く、棋風通りの立ち上がり。「白16に1図、黒1の“ボウシにケイマ”の受けは賛成できません。左上隅はやや凝り形。黒▲とハネた石も生きていません」。
 白24のヒラキが面白い。松本八段は「独特ですね。Aあたりなら普通。今後起こるであろう、下辺の戦いに備えているのでしょう」と推測した。
 黒25のワリ打ちはこの位置という。「一路右の31は白Bと左側からツメられます。黒Cとヒラけますが、白35と圧迫され、窮屈」。白26のツメに黒27からサバキに入り、黒37までで軽く一段落。「互角の序盤戦」。

1図

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