見出し画像

思い出となった初防衛戦を振り返る【上野梨紗女流棋聖インタビュー】

 1月16、23日に「第28期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負」(協賛・株式会社NTTドコモ)で上野梨紗女流棋聖が向井千瑛六段に2勝0敗で勝利し、初防衛を果たした。約1ヵ月経過した今、当時はどのような思いがあったか、インタビューをお願いしました。(特設サイトはこちら

上野梨紗女流棋聖のプロフィール
 平成18年(2006年)6月24日生。東京都出身。藤澤一就八段門下。平成31年入段、令和6年三段。日本棋院東京本院所属。

【主要な実績】
2020年:第24期ドコモ杯女流棋聖戦本戦入り
2021年:第40期女流本因坊戦本戦入り、第6回扇興杯女流最強戦本戦入り、第16回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2022年:第41期女流本因坊戦本戦入り、第7回扇興杯女流最強戦本戦入り、第26期ドコモ杯女流棋聖戦本戦入り、第34期博多・カマチ杯女流名人戦リーグ入り、第17回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2023年:第48期新人王戦本戦入り、第10期会津中央病院・女流立葵杯ベスト4、第42期女流本因坊戦挑戦者、第8回扇興杯女流最強戦本戦入り、第33期竜星戦本戦入り、第18回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り、第35期女流名人戦博多・カマチ杯リーグ戦入り
2024年:第27期ドコモ杯女流棋聖戦奪取、第11期会津中央病院・女流立葵杯ベスト4、第43期女流本因坊戦挑戦者決定戦進出、第9回扇興杯女流囲碁最強戦ベスト4、第72回NHK杯テレビ囲碁トーナメント出場
2025年:第28期ドコモ杯女流棋聖戦防衛(2連覇)、第36期女流名人戦博多・カマチ杯リーグ戦入り


開幕前の心境

第1局で大盤解説会に多くのファンがかけつけた

 ――三番上部が始まる前に『調子はあまり良くない』と伺いました。
 「全然自信がありませんでした。(当時の)直近の手合でも、姉(愛咲美女流立葵杯)にも世界戦の国内予選で負けていて……」

 ――『向井千瑛六段は苦手な相手』と開幕前に話されていましたね。
 「2024年は2回対局して1勝1敗、どちらも半目勝負。苦手というより勝つまでが大変という印象です。戦闘タイプの方なので『いつ攻められるか分からない』というドキドキ感があります」

ここから先は

1,305字 / 5画像
この記事のみ ¥ 110

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!