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【千葉大学】マイケル・レドモンド九段の開講授業「囲碁中級」

 4回目は千葉大学の開講授業「囲碁中級」を紹介する。千葉大学では10月から7週間にわたって「囲碁入門」という授業が行われている。今回紹介する「囲碁中級」はこの「囲碁入門」を受けた学生が19路盤での打ち方を学んでよりステップアップするものとなっている。授業の講師を担当するのはどちらもマイケル・レドモンド九段。

 「囲碁入門」の受講生は約180名、全国で行われている囲碁授業の中では最多の人数を誇る。「囲碁中級」は約半数の90名ほどが受講した。昨年まで両囲碁授業はコロナの影響によりオンラインで授業が行われていた。オンラインの「囲碁入門」の受講者は800~900人、「囲碁中級」では300人ほどの学生が囲碁を学んだ。千葉大学の学生数が約1万人(令和5年5月1日現在)と考えると千葉大生の1割近くが「囲碁入門」を受講したこととなる。

モニターで解説するレドモンド九段

 今回取材した第7回は試験前最後の授業であった。レドモンド九段がセキや眼あり眼なしの攻め合い等の高度な手筋をモニターで解説を行った後に、対局の流れを学ぶ指針となる模範碁を用いて、実戦で使われる小目の定石や布石を解説した。解説の後は学生同士の対局が行われた。学生たちは真剣に対局を楽しんでいた。

学生の対局にアドバイスをするレドモンド九段

 授業を受けていた学生二人に感想を伺った。

 「囲碁は将棋に比べてマイナーな印象がありましたが、学んでいくと奥が深く面白かったです」
 「0(ゼロ)から流れを学び、定石などを覚えられてとても有意義な授業でした」

授業のサポートをしている鎌田浩二先生

 授業のサポートをしている鎌田浩二先生にお話を伺った。

・千葉大生の特色を教えてください。
 「私は文学部の国際言語文化学コースで教えています。そのため文学部の学生の印象になりますが、囲碁も語学もごまかしがきかなく、一つ一つステップを踏まないと身につかない性質がありますが千葉大学の学生はまじめなので向いています。また千葉大生全体に言えることですが学力が高く教えやすいです」

・「囲碁中級」の受講生の印象を教えてください。
 「工学系の学生が多く、論理的な思考が好きな学生が多い印象です。みんな熱心に受けていて、人数が多いけれど個人指導的な授業なので充実しているのではないかと思います」

・レドモンド先生の授業の印象を教えてください。
 「入門の180人に対しても一人一人に目を配らせていて大変なはずですが、学生の立場に立って授業をしてくださっています。プロの方の授業というのはそんなにあることではないのでありがたいです」

学生に「碁という趣味を持ってほしい」と話すレドモンド九段

 講師のレドモンド九段にも授業についてお話を伺った。

・受講している千葉大生の印象を教えてください。
 「学生は熱心に勉強していました。久しぶりに対面だったので皆の顔が見られる格好でできて楽しかったです」

・大学生を教える上での工夫はありますか。
 「年齢で教え方を分けていて、学生は学習能力がありテクニックや知識を覚えられるので、そういった要素として手筋などを必ず教えるようにしています。
 小さい子供などは勉強をさせるのではなく遊んで覚えてもらうように教えています」

・千葉大学の授業は昨年度までコロナの影響でオンラインでしたが、その時期の授業について教えてください。
 「動画で教えるため、動画を作るのが大変でした。ですがかなり力を入れて作った結果いい教材ができたので教える立場として勉強になりました」

・最後に学生へのメッセージをお願いします。
 「碁という趣味を持ってほしいです。社会人になると社交の場や海外でも碁のサークルがあるので友達作りに活用したりして囲碁を続けてほしいです」


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