一力、読み比べで辛勝【第79期本因坊戦五番勝負第2局・棋譜解説】
5月23日に「第79期本因坊戦五番勝負」(主催・毎日新聞社)の第2局が、長野県高山村「藤井荘」で行われた。序盤から中盤で一力遼本因坊が好調な打ち回しを見せるも、後半戦で余正麒八段の強打から勝負は振り出しに。一進一退の攻防が続く中、一力本因坊が機敏な守りを見せて、2勝目を掴んだ。
第1譜(1―29)「意外な打ち込み」
黒7、9と受けるのが、一力本因坊が研究している打ち方。白24から28と左上の形を決めた後、黒29の打ち込みは意外な一手。理由はAやBと荒らす手段があるので、すぐに向かう必要がないからだ。
参考図1(通常の感覚)
上辺には大きな白地ができづらいため、黒1など大場へ走るのが無難。白2と左辺を割るなら、黒3と補強しながら、aなどの反撃を見て互角に近い進行。
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