基礎知識を身につけよう その6【整地の仕方3】
整地(せいち)の仕方1、2の続きです。今回は、整地に慣れてきたら覚えてほしいことを解説します。
整地は、間違えてしまうと大変です。そうなったら、元に戻してやり直すしかありませんが、棋譜をつけていない限り、困難を極めるでしょう。
間違いが生じやすいのは、黒なら白石と、白なら黒石と接している石を動かしたとき。そこで前回は整地の入門者向けに、「相手の石と接触している石は動かさないようにしましょう」と説明しました。
今回は、相手と接触している石を動かす際のテクニックを覚え、動かしても大丈夫な石は動かせるようにレベルアップします。
整地スタート地点
1図を題材に整地してみましょう。まずは、黒地から。目指すは長方形。黒▲一子と黒■二子をa、b、cの三点に移動します(d、e、fに動かすのもよさそうですね)。問題は、白石と接している黒▲を動かしても大丈夫かどうかです。
黒の整地結果
2図、整地した結果、黒地の境界線が一ヵ所、白△になりました。このようになっては、おかしいと思うでしょう。しかし、お互いの地は終局時に確定しているので、整地図としては問題ありません。
そう説明されても、すっきりしませんね。そこで、白△を黒石にすることはできないかを考えます。
ダメ場にある石に着目
3図、スタート地点に戻りました。白△は、この時点ではダメ場にある石です。ダメは黒地でも白地でもないところなので、仮に外しても地の数には影響しません。ならば、ダメ場にある黒石を探し、交換するのはどうでしょうか。例えば黒▲と交換します。
交換した結果
4図、このようになりました。これなら黒▲を動かしても安心です。では、形を整えます。
黒の整地結果
5図、黒の整地が完成しました。続いて白地を整地してみましょう。白△一子と白▢一子をa点とb点に移動するのがよさそうです。問題は、黒石と接している白△を動かしても大丈夫かどうか。
白の整地結果
6図、整地した結果、白地の境界線が一ヵ所、黒▲になりましたが、整地図としては問題ありません。すっきりしたい方は、黒▲を白石に変えます。
ダメ場にある石に着目
7図、白の整地のスタート地点に戻ります。この時点では、黒▲はダメ場にある石です。ダメ場にある白石を探し、例えば白△と交換します。
交換した結果
8図、このようになりました。これなら白△を動かしても安心。では、形を整えます。
白の整地結果
9図、白の整地も完成しました。
数えてみましょう。黒地は右方が縦9目×横3目=27目、左方1目を足して28目。白地は上方が縦5目×横4目=20目、下方3目を足して23目。コミのない碁なら黒5目勝ち、コミ6目半なら白1目半勝ちです。
なお、ここでは石の交換をまず行い、安心感を持って形を整えましたが、慣れてくれば、形を整えてからでも交換できるようになります。むしろ、その順番で行うほうが多いでしょう。
また、境界線に相手の石がある状態のまま、気にせずに数えても問題ありません。
石を交換できないケース
10図、再び整地スタート地点に戻り、石を交換できないケースを見てみます。この形では、黒の境界線である黒▲と、白の境界線である白△です。黒▲を仮にa点に動かしてみます。
黒の境界線がなくなる
11図、黒は自分の境界線がなくなりました。白△は白地の境界線なので、ここを黒石にするわけにはいけません。
さて、白も同様に白△を動かすと、どうなるでしょうか。仮にa点に動かしてみます。
失敗
12図、黒地と白地がつながってしまいました。これは失敗です。
整地は二人同時に行うので、相手の整地も見ながら行わないと、このようなことが起きます。
以上で整地の技術的解説は終わりです。
次回は、整地の効能について説明します。
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