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基礎知識を身につけよう その5【整地の仕方2】

 整地(せいち)の仕方1の続きです。1では終局図からスタートし、計算まで一通りやってみました。


ここから整地

1図

 前回の復習から。終局図に手入れとダメ詰めをし、続いて、死に石とアゲハマを相手の地の中へ入れた結果、1図のようになりました。これで数えることができますが、石の形がでこぼこしていて計算しにくいですね。そこで整地をします。長方形を目指し、白番の方は黒▲三子をa、b、cの3点に移動、黒番の方は白△二子をd点とe点に移動。長方形にするのは、形が整うだけでなく、掛け算ができるようになるからです。

整地完成、数える

2図

 2図のようになりました。
 黒地の右方は縦7路、横3路なので、7目×3目で21目。左方は3目。足して黒地24目。白地は縦5路、横4路なので、5目×4目で20目。このように計算しました。
 ここまで、おさらいです。

 今回、「整地の際、相手の石と接触している石は動かさない」という説明を加えます。

他の石を動かしてみる

3図

 3図、1図に戻り、白地の整地の仕方を変えてみましょう。白△の二子、白▢の三子をa点からe点に移動しても、長方形を作ることができます。白△は黒石と接している石です。

よくない結果

4図

 4図、黒地の境界線である黒▲が白地の境界線にもなってしまいました。これでは、境界線がはっきりしません。原因は、黒▲の石と接していた白石を動かしてしまったためです。

 動かす石を選ぶとき、相手の石と接触しているかどうかを確認する習慣をつけましょう。

 さて、ここから新しい知識を身につけていきます。
 整地は、長方形にすることの他にもう一つポイントがあり、それは地の数を10の倍数にすることです。どんな形を目指したらいいでしょうか。

整地でよく作られる形1

5図

 5図、右下隅と左上隅は、長方形であり、10目の地を持った整地図です。右下隅の黒地△は、縦2目×横5目で10目になっています。左上隅は、向きを縦で作ったものです。

整地でよく作られる形2

6図

 6図、19路盤では、右下隅の形もよく作られます。黒地は縦2目×横10目で20目です。横は、端を起点にした場合、辺の星があるところまでで10路と覚えておくといいでしょう。その一つ横に境界線を作ります。

整地でよく作られる形3

7図

7図、前図を覚えていれば簡単です。縦が一路増えたので30目。

整地でよく作られる形4

8図

 8図、この形は、3路と4路、またはそれに近い地形ができたとき、よく作られます。12目の大きさなので、中に二子置けば10目になります。頻度が高い形なので覚えましょう。知らないと数えるのが大変です。

整地でよく作られる形5

9図

 9図、この形は、3路と7路、21目の大きさです。中に一子置けば、20目になります。黒▲一子は、どこに置いてもいいでしょう。

数え方と整地再考

10図

 10図、2図に戻り、白地と黒地を改めて見てみます。
 白地は、5図で示した10目整地図が二つ合体している形なので、10目×2と数えることもできます。
 黒地は、例えば黒▲の一子をa点に、黒■の一子をb点に置くことを選択する方も多いでしょうか。

違った形で整地された図

11図

 11図、この形にすると、右方の黒地を20目と数えることができます。

 整地は、境界線がはっきりしなくなったり、目数がずれない限り、正解、不正解はありません。どんな形にするかは自由です。

 以上で基本を押さえました。次回、違った角度の説明を加え、まとめとします。

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