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藤沢が5連覇を達成! 第5局棋譜解説【第43期女流本因坊戦五番勝負】

 藤沢里菜女流本因坊に牛栄子四段が挑戦する第43期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負第5局(主催・共同通信社、協賛・JA共済連共栄火災)が11月15日、東京都千代田区の「日本棋院東京本院」で行われた。

 今期五番勝負はまさに一進一退、いや二進二退というべきか。シリーズ開幕から藤沢が連勝して防衛にあと一つと迫るも、そこから挑戦者が底力を発揮。今度は牛が2連勝のお返しをして、ついに決着は最終第5局に持ち込まれた。
 本局は藤沢が手厚く構え、牛が足早に布陣する展開。互いにじっくり打ち回し長期戦の様相。終盤勝負に持ち込まれたかと思った矢先、意外なドラマが待ち受けていた。
 藤沢のがんばりすぎから大石にトン死が生じてしまったのだ。しかし、牛が死活の筋を見落としてしまい、結果的に藤沢が優勢を確立。最後は中押し勝ちをおさめて、女流本因坊5連覇(通算8期)を達成した。

 本局の立会人は片岡聡九段、記録係は張心澄初段、加藤優希初段。新聞解説に首藤瞬八段、ネット対局『幽玄の間』解説は外柳是聞五段。
(記・関根新吾)

〈第43期女流本因坊戦五番勝負・第5局〉
 藤沢里菜女流本因坊 黒 牛栄子四段

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〈第1譜〉1―39 「黒の実利と白の厚み」

 最終局なので改めて握りが行われ牛の先番と決まった。
 黒3三々から白26まで大型定石へと進む。白26アテに黒28ノビならもちろん定型。黒27と空き隅を占めたのは足早な手法だ。続く白28ポン抜きが「やや意外でした」と首藤八段。ここでたとえば白Aなどと空き隅を占めるのも有力だけれど、「藤沢さんとしては白28の厚みで『一局打ってみよう』ということですね」。
 さらに白38、40と右下黒に迫って、ここから開戦。積極的な攻めの姿勢で、「藤沢さんの新境地といった印象ですね」と首藤八段。

最終局はあらためて握りを行い手番を決める
牛は黒石ひとつ。藤沢が握った白石は27個。結果、牛の先番と決まった

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