日本の一力、チャンス掴めず無念【第25期阿含・桐山杯早碁オープン戦・日中決戦】
12月26日に「第25期阿含・桐山杯早碁オープン戦・日中決戦」が中国陝西省西安市の大唐西市酒店で行われた。
一力遼日本阿含・桐山杯者が陳梓健(ちん・しけん)中国阿含・桐山杯者と一番勝負を行い、陳梓健 中国阿含・桐山杯者が270手までで白番中押し勝ちをおさめた。第21期(張栩九段優勝)以来となる日本桐山杯者の勝利はならなかった。
まず、対戦相手の陳梓健中国阿含・桐山杯者を紹介しよう。
陳梓健八段は11月29日に行われた中国阿含・桐山杯で戎毅七段を破り、国内プロ棋戦で初優勝を果たし、その際に「阿含・桐山杯は中国でも数少ないオープン戦で、棋士なら誰でも参加できる棋戦です。この棋戦には子どもの頃から参加していて、2012年に入段して以来、一度も欠かさず出場しています。ただ、早碁が苦手なため成績は非常に悪く、2回戦を突破するのが難しい状態でした。大抵1回戦で負けることが多く、今回も1勝できれば満足という気持ちで挑んでいました。それがまさか決勝まで進めるなんて思ってもみませんでした」と振り返りつつ優勝の喜びを語った。
また、「自分は早碁があまり得意ではないと思っています。甲級リーグでも早碁の成績は良くなくて、まさか今回ここまで良いプレーができるとは思っていませんでした。運が良かったと思います」と率直に語った。
決勝戦へ向けて、「早碁は偶然性が非常に大きいので、自分のできることを精一杯やるだけです」と抱負を述べている。
※昨日行われた開幕式の記事はこちら
それでは両者の熱戦をご覧いただきたい。
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第1譜(1—27)「穏やかな序盤」
白6のハサミは実戦例の多い打ち方。黒7から9は一力がよく用いる定石。白10から12と封鎖を嫌う進行を選び、黒13から15と互いに補強し合う穏やかな展開。初対決ということもあり、序盤は間合いを図る展開となった。
参考図1(手厚い収束)
白12で1と左下への進出を止めるなら、黒2以下と外側を厚くする要領。続いて、黒a以下の後続手段を見られるので、黒悪くない展開だ。
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