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井山、激闘制し圧勝!【第72回NHK杯】
一力遼NHK杯(27)と井山裕太王座(35)が準々決勝で激突。中盤の競り合い、一力は猛攻をかけるが、井山は軽やかで力強いシノギを見せ、優位に立つ。一力は以降、次々と勝負手を放つが、井山はガッチリと受け切り、圧倒した。解説は寺山怜六段。
〈第72回NHK杯準々決勝・第2局〉
黒 一力遼NHK杯 白 井山裕太王座
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※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。
〈第1譜〉1―41
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対戦成績は井山が51勝34敗(本局時点)と大きく勝ち越しているが、ここ数年は五分の戦い。現在、棋聖戦7番勝負でも激闘を繰り広げている。「頂点を極めた者同士の対決。じっくりと鑑賞しましょう」と寺山六段。
黒23まで大場を打ち合い、穏やかな立ち上がり。「白12のハサミから黒21までは現代定石の1つ。昔は白20でAとしたものです」。
白24と早速右辺に打ち込む。黒は直接攻めず、黒25と押し、背中で応える。「白24は自然な打ち込み。白12の味を見ています」。白26から30と受け下辺を盛り上げる。黒は31とツメ、右辺を主張する。
白32には手を抜き、黒33とドカンと下辺に打ち込む。序盤戦、虚々実々の駆け引きである。「黒33は深く思えますが、白も対応が難しい。1図、白1のツメは黒2のツケからうまくサバかれそう」。
白34、36とし、様子を見る。黒は41まで穏やかに対応した。「黒39で2図、1から頑張るのは打ち過ぎ。左辺で先に得されています。実戦、黒41まで、互角の進行」。
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