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【現代碁の最前線】小目のナダレ定石最新形分析【大橋拓文七段①】

 今回は小目のナダレ定石で現れる「最新形の現代定石解析」を大橋拓文七段の解説でお送りします。中盤以降まで想定された意図と意表を突く対抗策など実戦必須の知識を中心に解説していきます。

最新のナダレ定石を解説した大橋七段

大橋拓文七段のプロフィール
 昭和59年(1984年)5月25日生。東京都出身。故・菊池康郎氏(緑星囲碁学園)に師事。平成14年入段、令和3年七段。日本棋院東京本院所属。

【主要な実績】
2002年:第12期竜星戦本戦入り
2003年:第13期竜星戦本戦入り
2004年:第1回中野杯U20選手権準優勝(非公式戦)
2005年:第30期新人王戦本戦入り
2006年:第31期新人王戦本戦入り
2008年:第33期新人王戦本戦入り
2009年:第34期新人王戦本戦入り、第19期竜星戦本戦入り
2010年:第35期新人王戦本戦入り、第20期竜星戦本戦入り、第1回おかげ杯準優勝(非公式戦)
2011年:第36期新人王戦本戦入り、第21期竜星戦本戦入り、第6回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2012年:第22期竜星戦本戦入り
2013年:第23期竜星戦本戦入り
2014年:第24期竜星戦決勝トーナメント進出
2015年:第10回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2016年:第25期竜星戦本戦入り、第41期棋聖戦Cリーグ、第26期竜星戦本戦入り
2018年:第28期竜星戦決勝トーナメント進出
2020年:第29期竜星戦本戦入り、大和ハウス杯第59期十段戦本戦入り、第3回SGW杯中庸戦本戦入り
2021年:第46期棋聖戦Cリーグ、第4回SGW杯中庸戦本戦入り
2023年:第49期天元戦本戦入り、第48期棋聖戦Cリーグ


テーマ図「最新形のナダレ定石」

 白1と左上の黒へ様子見するのが現代定石。白にAの断点を狙われており、黒は効率的に守る受け方が求められています。

定石手順(現代定石の軌跡)

 白2のツケに、黒3以下とナダレ定石で形を決めるのが好判断。白a~dが想定されますが、本図では白dと受けるのが基本。

 白6には黒7から15と外側を厚くするところ。この瞬間、白16と迫られた時にどう受けるべきか。黒aは妥協の選択肢で他の道を探りたいところ。

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