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【現代碁の最前線】星のノゾキ定石活用術【上野愛咲美女流名人①】

 第3回は世界ナンバー1の栄冠を掴んだ実績を持つ上野愛咲美女流名人が登場!テーマは「星の一間受けへのノゾキ定石」です。

上野女流名人は、2022年SENKOCUP優勝の実績を持つ

 現代では常套手段になった手法である一方で、「何をしたいのかわからない…」と悩む方も少なくないはず。そんな疑問を、上野女流名人が明快な解説で解説して頂けたので、ぜひご覧ください!4回に分けて紹介します。

※前回の記事はこちら


テーマ図「ノゾキ定石の基本」

 白1と黒2のノゾキを交換した後、白3のスベリに回るのが基本形。実戦でよく現れる代表的な打ち方なのでマスターしたいところです。

1図(白有利な利かし)

 黒1と受けるなら、白2と上辺を占めます。△と▲の交換が上辺の模様拡大や白陣の補強に働くので、本図は白不満なしです。

2図(手順前後)

 先に白1を決めるのは手順前後。白3にaと受けてもらえず、黒4など大場に走られて白失敗。


3図(模様拡大)

 黒1は右辺の模様を広げる簡明策。白2と受けるなら、黒3以下で実利と模様のワカレになります。

4図(三間トビの工夫)

 黒1と右上の白に働きかけるのも有力。白2と右上に進出された場合、黒3と白4の交換を決めた後、黒5と大場に走って黒悪くない展開です。

5図(抵抗手段の対応①)

 白1のハネには、黒2のコスミツケが好手。白3と連絡するなら、黒4以下と先手で封鎖して黒成功。

6図(抵抗手段の対策②)

 白1と抵抗されても、黒2のコスミツケで封鎖する方針は変わりません。黒12まで、黒の厚みに軍配が上がります。

7図(利かしの効果)

 白1と守るなら、黒2と大場に走る要領です。白に大きな地を与えず、足早に展開できるのが黒の自慢。

 例えば、白3と包囲網を破りに来ても、黒4から6の返し技があります。白7から9と連絡するなら、黒10以下と自陣を固めて黒の実利が優ります。

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