日本の文化に触れたい【東京-上海青少年囲碁交流】
1月27日に「東京-上海青少年囲碁交流」が日本棋院東京本院で行われた。日本の洪清泉さんの道場と、上海の胡煜清さん(2005、2009年の世界アマチュア選手権優勝の実績を持つトップアマ)の道場との交流戦。胡さんは日本の文化に触れる企画を考え、コロナ前に日本へ訪れたことがあり、日本棋院への見学以外に日本の子供達とも交流したい気持ちになったという。昨年末、洪さんと相談し、交流の延長線上で今回の企画が実現した。上海の子供や親御さん達は「幽玄」の間の見学や、武宮正樹九段に直接話を伺えるなど有意義な時間を過ごせたそうだ。
中国・胡煜清さんインタビュー
今回、日本に訪れた胡さんに、道場ではどのような取り組みをしている か、簡単なインタビューをお願いした。
――道場ではどのような勉強や指導をしていますか?
「大きな枠組みとして『子供達に囲碁を好きになってもらうこと』を心掛けて教えています。ただし、その中で才能ある子が見つかれば、特別にプロを目指す方向へ育てる場合もあります。囲碁を楽しんでもらう子とプロを目指す子、2つの方針でやっています」
――道場生の人数はどれくらいですか?
「約2000人います。その中でプロを目指す子は50~100人ぐらい。例えば、王星昊九段も道場出身の棋士です」
――プロを目指す子にどのような訓練をしていますか?
「小さい頃は、死活など基本となることをやり込みます。ただし、一定の棋力に達すると、AIに頼らざるを得なくなります。プロを目指す達にはコーチ陣がいて、それぞれの子供を分析して一人一人にあったプログラムを組みます。大事にしていることは、どの段階の子に対しても『碁に対する情熱を失わないように教育すること』です」
――中国碁界はどのような仕組みになっているのでしょうか?
「大きな枠組みとして、ピラミッドのような構想をしています。多くの囲碁ファンの方がいる層から、トップ棋士など一握りの方しか登れない層まで幅広いです。ほとんどの子供は学校の勉強をしながら、囲碁を楽しむことが多いので、『勝負に拘り過ぎず、楽しむファンの方々の層を広げることを基本の方針』としてやっています。もちろん、上へ上がれる子はどんどん上がっていきます。具体的には、上のクラスは上海の少年隊(日本のナショナルチームのような立ち位置)で、さらに上には乙級や甲級リーグがある訳です。プロになっても各ステップに目標があります。ただ、コーチ陣には『小さい内は、勝負にこだわり過ぎないように』とよく言います。まず、囲碁を楽しんでもらうことが何よりも大事だからです」
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