淡路修三九段、公式戦1100勝達成
1月9日に第4回テイケイグループ杯レジェンド戦(協賛・テイケイ株式会社ほか)で淡路修三九段が福井正明九段に勝利し、公式戦1100勝(693敗3ジゴ1無勝負)を達成しました。以下、局後のインタビューの内容をお届けします
人生を思い返して
――1100勝おめでとうございます。ご感想をお願いします。
「ありがとうございます。1000勝(2015年)の時もそうでしたが、今回も記録が近づくと、意識している訳でないですが、バタバタ負けましたね」
――棋士人生の中で、思いの深い対局を教えてください。
「大竹先生(英雄名誉碁聖)との碁聖戦五番勝負の第5局(1983年)で半目負けした碁です。形勢が良いと思って打っていたのですが、最後に負かされて、『勝負は厳しいな』と痛感しました。当時、自分はタイトルを獲れるとは思っていませんでしたが、今思えば、もし半目勝っていれば……という後悔はあります」
AI時代の今を見て
――長い棋士人生の中で、AIが出現してどういった感想をお持ちですか?
「AIは本当に素晴らしいです。昔は人に教わるために研究会などに通うことが多かったですが、今は家でも勉強できるし、囲碁が特段に面白くなりましたね。最近は楽しく打っています。以前は、負けても原因が分からず苦しい時もありましたが、今はAIが原因を教えてくれるので助かります」
――具体的に、AIの良さを教えてください。
「はっきりとした判断してくれること。形や部分的なことで言えば、プロもAIも似てるところがあると思いますが、先の展開までは分からないのが人間の限界です。AIなら『東にいくか西にいくか』を数値として示してくれる訳です。人間ではなんとなくしか分からないですからね」
淡路塾、30周年の節目
――淡路先生は指導のプロでもありますが、教えるのは難しいですよね。
「囲碁の理論をどのように伝えるか、難しいですが楽しいことでもあります。教室ではお客さんの顔を見ながら指導するので、自分の言葉が伝わっているかが分かります。その反応を見るのがとても楽しいですね」
――今年は淡路塾30周年という節目の年。教室のことを教えてください。
「お客さんとのスキンシップを大事にしています。教室ではお客さんが打った碁を棋譜に記録してもらい、その人の個性を伸ばすことを意識して指導しています。強くすることよりも、形の良い打ち方ができれば、それで皆さん楽しめるのではないかと考えています」
――最後に、次の目標を教えてください。
「坂田先生(二十三世本因坊坂田栄寿)の通算勝数1116勝を目指したいですね。大好きな先生で、たくさん勉強させていただきました」
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