佐田、難局制す【第72回NHK杯】
安達利昌七段(33)は5年連続6回目、佐田篤史七段(29)は7年連続7回目の出場。若手同士の東西対決は、佐田が序盤からうまく立ち回り、優位に立てば、中盤の競り合いで、安達が猛攻をかけ、形勢不明となる。終盤戦、コウが絡んだ難解なヨセ勝負となるが、佐田がかろうじて抜け出した。解説は金秀俊九段。
〈第72回NHK杯3回戦・第3局〉
黒 安達利昌七段 白 佐田篤史七段
※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。
〈第1譜〉1―25
安達は日本棋院東京本院、佐田は関西棋院所属。対戦は3度あり、安達の2勝1敗。「安達さんはトップ棋士に近い実力者。石が張った棋風で、接近戦を得意としています。佐田さんは関西棋院のホープ。大いに力をつけ、 タイトル戦にいつ出てきてもおかしくない棋士に成長しました。AI(人工知能)流の研究にたけており、ヨセが非常にうまい」と金九段。
黒7は一昔前は多く打たれたハサミ。「最近また増えてきました。手抜きの白8は研究済みでしょう」。黒の受け方を見て、右下の打ち方を決める方針。黒9の下ハネはからい。「厚み派なら1図が多い。ただ、黒▲のハサミの位置が甘く、不満。なので、黒9と受け、右辺の幅で勝負する打ち方を選びました」。
白10のカケを決めてから14とハネ返す。黒15の切りから17のアテは穏やかな対応。「戦いを継続するなら2図、黒1の押し。険しい競り合いになります。実戦は黒25までのフリカワリ。途中、黒23のアテに対しては3図、白1の抜きが多い。激しい戦いになるので、佐田さんは避けたのでしょう。黒7のハサミの位置を活かせるか、甘くなるのかが、これからのポイント」。
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