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オールジャパンで臨んだ応氏杯、AI研究会の功績と取り組み【大橋拓文七段インタビュー】

 8月12、14日、9月8日の決勝五番勝負で一力遼九段が3連勝で世界一となった裏側には、AI研究会(以下・AI研、棋士の研究会の1つ)による協力があった。今回の経緯や研究会の成果など、AI研を立ち上げた大橋拓文七段にインタビューをお願いした。

大橋拓文七段のプロフィール
 昭和59年(1984年)5月25日生。東京都出身。故・菊池康郎氏(緑星囲碁学園)に師事。平成14年入段、令和3年七段。日本棋院東京本院所属。

【主要な実績】
2002年:第12期竜星戦本戦入り
2003年:第13期竜星戦本戦入り
2004年:第1回中野杯U20選手権準優勝(非公式戦)
2005年:第30期新人王戦本戦入り
2006年:第31期新人王戦本戦入り
2008年:第33期新人王戦本戦入り
2009年:第34期新人王戦本戦入り、第19期竜星戦本戦入り
2010年:第35期新人王戦本戦入り、第20期竜星戦本戦入り、第1回おかげ杯準優勝(非公式戦)
2011年:第36期新人王戦本戦入り、第21期竜星戦本戦入り、第6回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2012年:第22期竜星戦本戦入り
2013年:第23期竜星戦本戦入り
2014年:第24期竜星戦決勝トーナメント進出
2015年:第10回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2016年:第25期竜星戦本戦入り、第41期棋聖戦Cリーグ、第26期竜星戦本戦入り
2018年:第28期竜星戦決勝トーナメント進出
2020年:第29期竜星戦本戦入り、大和ハウス杯第59期十段戦本戦入り、第3回SGW杯中庸戦本戦入り
2021年:第46期棋聖戦Cリーグ、第4回SGW杯中庸戦本戦入り
2023年:第49期天元戦本戦入り、第48期棋聖戦Cリーグ

第10回応氏杯の本戦記事一覧
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決勝五番勝負第3局前インタビューはこちら
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9月8日に決勝三番勝負第3局を制し、3勝0敗で優勝を飾った一力九段

 ――一力九段の世界一に、AI研が貢献したという話を伺いました。どういった経緯があったか、教えてください。
 「藤井くん(浩貴三段)から『(一力さんから)この形を調べてほしいとお願いがきたんですが』とAI研で話題に挙がったのが始まりでした」

 ――具体的に、どんな形を研究しましたか?
 「上図の白1、3と仕掛けられた局面で、黒番の一力さんがコミ8目で勝つこと。ただ、一力さんの方が持ち時間を多く使う可能性が高く『盤面で10目は勝たないといけない……。厳しいね』と研究会で話していました。穏やかな局面では、コミの負担が重い。もっと頑張った打ち方を研究しないと」
※応氏杯ルールは、持ち時間を使い切るとコミ2目で35分を追加。

 ――決勝五番勝負の何局目を想定したものですか?
 「第3局です。実戦は白1でAと打たれたので、用意した変化は活用されなかった訳ですが(笑)。AI研で研究したもの以外を、現地で一力さんと許さん(家元九段)が研究する形で、準備が進められたそうです」

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