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一力の世界戦優勝を支えた、陰の立役者の軌跡【許家元九段インタビュー】

 7月3日~9日の「第10回応氏杯世界選手権」の本戦と、8月12、14日、9月8日の決勝五番勝負に一力遼九段と同行した許家元九段のインタビューを公開!「間近で見ていて、感慨深いものがあった」と許九段。現地での取り組みや、道中の意外なエピソードなど幅広くお届けします。

許家元九段のプロフィール
 平成9年12月24日生。台湾出身。故高林拓二七段門下。平成25年入段、令和3年九段。日本棋院東京本院所属。

【主な戦績】
2015年:第40期新人王戦優勝、第40期棋聖戦Cリーグ入り(挑戦者決勝トーナメント出場)、第22期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦準優勝
2016年:第41期棋聖戦Bリーグ入り
2017年:第42期棋聖戦Aリーグ入り
2018年:第43期棋聖戦Sリーグ入り、第43期碁聖戦奪取、第44期天元戦挑戦者決定戦出場
2019年:第44期棋聖戦Sリーグ、第45期天元戦挑戦者、第67期王座戦挑戦者決定戦出場、第75期本因坊戦リーグ入り、第45期名人戦リーグ入り
2020年:第45期棋聖戦Sリーグ、第68期王座戦挑戦者、第76期本因坊戦リーグ、第46期名人戦リーグ
2021年:第46期棋聖戦Aリーグ、大和ハウス杯第59期十段戦奪取第28期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦優勝、第77期本因坊戦リーグ、第30期竜星戦準優勝、第7回国手山脈世界プロ最強戦ベスト4、第47期名人戦リーグ
2022年:第1回テイケイ杯俊英戦優勝大和ハウス杯第60期十段戦防衛、第47期棋聖戦Sリーグ、第78期本因坊戦リーグ、第48期名人戦リーグ
2023年:第48期棋聖戦Sリーグ(挑戦者決定トーナメント出場)、第49期名人戦リーグ
2024年:大和ハウス杯第62期十段戦決勝進出、第49期棋聖戦Sリーグ、第50期天元戦挑戦者決定戦出場

二人三脚で走り切った一力九段と許九段

第10回応氏杯の本戦記事一覧
本戦1回戦はこちら
本戦2回戦はこちら
準決勝三番勝負第1局はこちら
準決勝三番勝負第2局はこちら
準決勝三番勝負第3局はこちら
決勝開幕前インタビューはこちら
決勝五番勝負第1局はこちら
決勝五番勝負第2局はこちら
決勝五番勝負第3局前インタビューはこちら
決勝五番勝負第3局はこちら


初めての通訳

決勝三番勝負第3局、中国の空港で記念撮影

 ――まず、一力遼棋聖と同行した経緯を教えてください。
 「2024年4月末、一力さんから通訳と研究を兼ねたパートナーが同行してほしいという話があり、自分と余正麒さん(八段)が候補でした。ただ、余さんは5月に本因坊戦に挑戦していたことや関西住みだったこともあり、自分が務めることに。元々、通訳などのお仕事に興味があり『やってみますか』といったノリでした」

 ――本戦のスケジュールは?
 「7月2日に日本から出発、同日に前夜祭に出席して、7月10日に帰国するという、9日間の長期日程でした」

7月2日の本戦前夜祭の様子

 ――初めての通訳はいかがでしたか?
 「心配していましたが、(前夜祭では)一力さんがわかりやすく話してくれたので、通訳はやりやすかったです。後は、現地にきたメディアのインタビューへの対応をしました」

 ――現地のファンの方はどれくらい来ていましたか?
 「前夜祭も含めて、多くのファンの方がきていました。(人数はわかりませんが)写真だけで言えば、数百枚は取られていたんじゃないですかね。多くの方はホテルのロビーで待機していて、中には昼頃から待っていた方や、ホテル内のレストランで待ち伏せしている方もいて、熱意がすごいなと」

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