男女でダブル世界一!日本碁界大躍進の一年【2024年日本碁界回顧】
2024年日本碁界を中心とした日本棋士の活躍を写真中心で振り返っていこう。主要な棋戦やニュースを中心にお届けする。※段位は現在のもので統一
※今年の三大ニュースの棋道web特別版をまとめました!PDFでダウンロードできますので、ご自由に活用ください。
1―2月
第27期ドコモ杯女流棋聖戦「上野梨紗、初タイトル獲得」
1月18、25日、2月5日に第27期ドコモ杯女流棋聖戦が行われ、上野梨紗二段が仲邑菫女流棋聖に勝利し、自身初タイトルを奪取。17歳7ヵ月での女流タイトル初獲得は年少順で歴代5位。
第3回テイケイグループ杯女流レジェンド戦「小林泉美、19年ぶりの栄冠」
2月25日に第3回テイケイグループ杯女流レジェンド戦の決勝が行われ、小林泉七段が小山栄美七段に勝利し、優勝を飾った。「本当に嬉しい。こうした目標となる棋戦があることで、モチベーションが上がります」。
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3月
SENKOCUPワールド碁女流最強戦2024「鈴木歩が準優勝」
3月8~10日にSENKOCUPワールド碁女流最強戦2024が行われ、日本の鈴木歩七段が準優勝を飾った。「決勝で韓国の崔精九段と打てたのは、私の囲碁人生において大きな財産になった」。
第48期棋聖戦七番勝負「フルセットの激闘、一力3連覇達成」
1月11日から3月8日に行われた第48期棋聖戦七番勝負で、一力遼棋聖が井山裕太王座に4勝3敗で勝利し、3連覇を達成した。当時から「自分が率先してアクションを起こし、世界の差を詰めていきたい」と語っていた。
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第71期NHK杯テレビ囲碁トーナメント「一力が4度目の優勝」
第71期NHK杯テレビ囲碁トーナメントの決勝で、一力遼棋聖が芝野虎丸名人に勝利し、4度目の優勝を飾った。なお、本棋戦での一力棋聖の成績は40勝6敗(勝率87%)と驚異的な数値を叩き出している。
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4月
大和ハウス杯第62期十段戦五番勝負「井山が6期ぶりに復冠」
2月27日から4月30日に大和ハウス杯第62期十段戦五番勝負が行われ、井山裕太王座が芝野虎丸十段に3勝2敗で勝利し、タイトル奪取となった。「本当に運が良かったとしかいいようがありません」と激闘の五番勝負を振り返った。
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5月
第3回テイケイグループ杯俊英戦「芝野が2連勝で優勝」
4月6日から5月11日に第3回テイケイグループ杯俊英戦決勝三番勝負が行われ、芝野虎丸名人が関航太郎九段に2連勝を果たし、優勝の栄冠を獲得した。なお、第1回と第2回で芝野名人は準優勝となっていた。
映画「SENTIENT GAME」の制作発表
5月28日に映画「SENTIENT GAME」の制作発表が行われた。プロデューサーの稲葉禄子さんによれば「囲碁を知らないからへ興味を持ってもらえる内容」だという。撮影開始は2025年2月を予定されている。
6月
第4回フマキラー囲碁女流ブレーンズマッチ「藤沢が2度目のV」
6月7、8日に第4回フマキラー囲碁女流ブレーンズマッチが行われ、決勝戦で藤沢里菜女流本因坊が上野愛咲美女流立葵杯に勝利して優勝。「難しい碁ばかりだったので、最後まで頑張り切れて良かった」と喜びを語った。
第11期会津中央病院・女流立葵杯三番勝負「上野、笑顔で3連覇」
6月15、16日に第11期会津中央病院杯・女流立葵杯三番勝負が行われ、上野愛咲美女流立葵杯が向井千瑛六段に2連勝を決め、3連覇を果たした。「今のスタイルをあまり崩さず、楽しく強くなれたらと思っています」と今後の抱負を語った。
第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン「井山、世界4強」
6月29日に第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープンの準決勝が行われ、日本の井山裕太九段は中国の辜梓豪九段に敗れ、決勝進出を逃した。
7月
第9回扇興杯女流囲碁最強戦「藤沢が逆境覆し優勝」
7月12、14日に第9回扇興杯女流囲碁最強戦が行われ、決勝で藤沢里菜女流本因坊が上野愛咲美女流立葵杯に勝利し、4度目の優勝を飾った。「SENKOCUPで上野さんが優勝(2022年)されているので、私も優勝できるように頑張りたい」と世界戦への意気込みを語った。
日本棋院創立100周年記念式典・祝賀会
7月17日に日本棋院創立100周年記念式典が行われた。中国囲棋協会の常昊主席、韓国棋院の梁宰豪事務総長、海峰棋院の林敏浩院長と世界各国からも多くの来賓を訪れた。
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第49期碁聖戦五番勝負「井山、3連勝で4連覇達成」
6月21日から7月19日に第49期碁聖戦五番勝負が行われ、井山裕太碁聖が芝野虎丸名人に3連勝し、4連覇と達成した。防衛したことにより、井山碁聖のタイトルが76となり、歴代最多の趙治勲名誉名人と並んだ。
浴衣囲碁まつり2024in東京が開催
7月20日に「浴衣囲碁まつり2024in東京」が行われた。総勢32名の棋士が集まるビックイベント。星合志保四段と木部夏生三段が「東京でも夏のイベントがほしい」という思いから企画された棋士主導のイベント。
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日本女子囲碁リーグ開幕
7月27日に第1回日本女子囲碁リーグが開幕。5チームによる3対3のチーム対抗戦。2025年5月24日までリーグ戦が行われ、上位2位チームによる優勝決定戦が行われる予定だ。(特設サイトはこちら)
8月
第3回テイケイグループ杯レジェンド戦「片岡が初優勝飾る」
8月4日に第3回テイケイグループ杯レジェンド戦決勝が行われ、片岡聡九段が小林覚九段に勝利し、優勝の栄冠を掴んだ。1998年の早碁選手権以来の優勝となる。「久しぶり過ぎて優勝の実感が湧かないけど、きっとジワジワこみ上げてくるのでしょう」と局後直後のインタビューに答えた。
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9月
第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦・第2回農心白山水杯世界囲碁シニア最強戦が開幕
9月5日に第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦と第2回農心白山水杯世界囲碁シニア最強戦が開幕。11~12月の第2ラウンドを含め、日本勢は勝ち星を上げられず、苦しい戦況となっている。
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第10回応氏杯世界選手権決勝五番勝負「一力が世界一へ」
8月12日から9月8日に第10回応氏杯世界選手権決勝五番勝負が行われ、日本の一力遼九段が中国の謝科九段に3連勝を飾り、19年ぶりに日本勢が世界一となった。
第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦決勝「一力、連覇達成」
9月25日に第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦決勝で一力遼桐山杯が芝野虎丸名人に勝利し、連覇(通算3期)を達成した。「本局を含めて難しい碁ばかりでした。その中で結果を残せたのは自信になりました」と一力。
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10月
第49期新人王戦決勝三番勝負「三浦が優勝飾る」
9月24日、10月1日に第49期新人王戦決勝三番勝負が行われ、三浦太郎三段が藤井浩貴三段に連勝し、優勝を飾った。「これまで優勝してきたのは強い棋士ばかり。最弱の新人王と言われないように頑張りたい」と抱負を語った。
第27回湘南ひらつか囲碁まつり1000面打ち大会
10月13日に湘南ひらつか囲碁まつり1000面打ち大会が行われた。総勢77人の棋士が集結するイベント。今年は木谷實九段の50回忌と日本棋院100周年にあたり、特別プログラムが行われた。
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第10回熊野那智黒碁石まつり
10月26、27日に第10回熊野那智黒碁石まつりが行われた。団体戦と個人戦で盛大に催されたイベントは今回が最終回。那智黒石の日本唯一の産地は三重県熊野市であることアピールすること、即ち、町おこしの一環として創設されたのがキッカケだったという。
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第49期名人戦七番勝負「一力が自身初の名人位」
8月27日から10月31日に第49期名人戦七番勝負が行われ、一力遼棋聖が芝野虎丸名人に4勝2敗で勝利し、自身初の名人位となった。「今以上に囲碁界の顔として認識されると思う。世界戦で結果を残すことが日本のタイトルの価値を高めることに繋がるので、しっかりやっていきたい」と語った。
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11月
第7回SGW杯中庸戦「秋山が栄冠掴む」
11月2、3日に第7回SGW杯中庸戦が行われ、決勝戦で秋山次郎九段が安斎伸彰八段に勝利し、タイトル獲得となった。「(優勝できて)信じられないような気分」と秋山九段が振り返った。
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第43期女流本因坊戦五番勝負「藤沢が5連覇」
9月18日から11月15日に第43期女流本因坊戦五番勝負が行われ、藤沢里菜女流本因坊が牛栄子四段に3勝2敗で勝利し、5連覇(通算8期)を達成。「女流本因坊位は取ったり取られたりが多かったので、こうして5連覇できたことは嬉しい」。
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デミス・ハサビス氏日本棋院へ来院
11月21日にGoogleDeepMind社CEOのデミス・ハサビス氏が日本棋院東京本院へ来院し、井山裕太王座との記念対局と一力遼棋聖との特別対談が行われた。
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12月
第19回広島アルミ杯・若鯉戦「横塚が嬉しい初優勝」
11月29、30日に第19回広島アルミ杯・若鯉戦が行われ、決勝で横塚力七段が広瀬優一若鯉杯に勝利し、自身初タイトルを獲得した。表彰式の場で横塚七段と藤沢里菜女流本因坊の結婚発表も行われた。
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権決勝三番勝負「上野愛咲美が女流世界一に」
11月29日から12月1日に第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権決勝三番勝負が行われ、日本の上野愛咲美五段が中国の唐嘉雯六段に2勝1敗で勝利し、世界一の栄冠を掴んだ。「優勝できたことは軌跡だと思います」と喜びを語った。
第72期王座戦五番勝負「井山がタイトル獲得数歴代一位へ」
10月16日から12月12日に第72期王座戦五番勝負で井山裕太王座が芝野虎丸名人に3勝1敗で勝利し、4連覇(通算10期)を達成。タイトル数77で歴代1位となり、名誉称号の資格を得た。
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第15回春蘭杯世界囲碁選手権「芝野、世界4強」
12月17、19日に第15回春蘭杯世界囲碁選手権の3回戦と準決勝が行われた。準決勝で日本の芝野虎丸九段は韓国の朴廷桓九段に敗れ、決勝進出を逃した。
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第33期竜星戦決勝「福岡が16連勝で優勝」
第33期竜星戦決勝で福岡航太朗七段が井山裕太竜星に勝利し、タイトルを獲得した。本戦から決勝トーナメントまで無傷の16連勝は、本棋戦初の快挙。
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